これからエンジニアを目指す人へ：SES企業って何？

転職保証は、たしかに良い面もあるのですが……実は手放しで歓迎できない一面もあるんですよ

就職したい企業に就職できるとは限りませんからねぇ。とくにSES企業に関しては賛否両論あります

あーなるほど。たしかにSES企業の説明が先かもしれませんね。では、今日の講義ではSES企業について説明をしましょう。これからエンジニアを目指す人達には、是非知っておいて欲しい情報ですからね

SES企業とは簡単に言えば派遣みたいなものです。「ウチからオタクにエンジニアを送りますよー」と言っている『ウチ』のほうの会社がSES企業ですね

厳密にいうと派遣社員とは少し違うんですけどね。『派遣みたいなもの』と考えておいてください。働く場所は、もちろん派遣先です。A社に就職しても……働く場所は、B社だったりします。B社に行ってB社の仕事をやるんですよ

他の企業から送られてきた人たちに、重要な仕事を任せるはずはないでしょう。基本的には、簡単な仕事しか与えられませんよ

そもそも自社の社員ではない人を育てる気なんて、起こるはずがありません。人手が足りないところに配置されて、やることをやってもらったら契約終了です

別の派遣先に行かされるので、またそこでも同じような仕事をする。その繰り返しですよ

では、SES企業に勤めるメリットをお話ししますね

いえいえ、そうでもないんですよ。SES企業に勤めるメリットはこちらです

多くの人が、未経験からいきなりエンジニアになりたいと思いますが……さすがに、それは非現実的です。でも、SES企業なら未経験でも採用してもらえる可能性があります

そうですね。実務の経験はないけれど、プログラミングの経験はある。そういう人達のことを話していますよ。たとえば、プログラミングスクールの卒業生などですね

『繋がっている』というと、なんか悪いことをしているみたいじゃないですか（笑）　わかりやすく言えば、SES企業がプログラミングスクールに「おたくの卒業生を紹介してね」と依頼しているんですよ。だから、A社のプログラミングスクールを卒業すれば、B社のSES企業には入りやすい。そんな仕組みです

SES企業で働く人の雇用主は、SES企業です。出向先の企業は、あくまでその人を借りているだけなんですね。だから、勝手に残業させられないんですよ

ちょっと極端ですけど、猫田さんが言うような『どブラック企業』もゼロではありませんからね。でもSES企業なら、そのような心配はありませんよ

あとは、やはり現場で経験を積めるのがいちばん大きいですよ。たとえSES企業での仕事でも、実務経験には変わりありませんから。SES企業から別のSES企業へと転職する人も少なくありません

もちろんありますよ。一旦、SES企業で働いて、その後にエンジニアとして雇用されたり、または独立したり……と、SES企業で働くのはステップアップのためと割り切っている人も多いようです

続いてはSES企業に勤めるデメリットですね

SES企業で働く最大のデメリットは、給料が安いことです

最初は年収200万円代だと思っておいたほうがいいです

言いたいことはわかりますよ。でも、これが現実です。もちろん何年も同じSES企業に勤めれば、給料が上がるところもあるでしょう。でも、400万円代になれば御の字。そういうレベルです。通常のエンジニアのように年収1,000万円超えのような夢はありません

だから、SESとして働くのは、あくまで通過点と捉えないと厳しいですよ

2つめのデメリットは、職場がコロコロ変わることです

まぁ、人によりますけどね。人によっては「新鮮でいい」と考えられる人もいるでしょうが……「慣れるまでは疲れる」と考える人も多いですよ

3つめのデメリットは、自分の仕事にやりがいを感じにくいことです。出向先での仕事ですから、たとえ大きなプロジェクトに関わっていたとしてのプロジェクトの全貌は見えにくいんですよ

たとえば、何に使うんだかよくわからないネジを延々と作る仕事には、なかなかやりがいを持てませんよね。　でも、自分の会社でスペースシャトルを作っていて、シャトルに使われるネジを作っているのならやりがいは持ちやすいんですよ。そういう話です

ありますよ。勤務地が書いてなかったら、SES企業の可能性が非常に高いです

しれっと『都内』とだけ書いてあったりします（笑）　でも、最初から「ウチはSES企業ですよ」と名乗っているところも多いですよ

というわけで、今回はSES企業について紹介しました

そういう人も多いかもしれませんね。でも、さすがに「SES企業は最高だ！　みんなでSES企業に行こう！」とは言えません

そのとおりです。SES企業での経験を活かして、ステップアップするのが正解だと思いますよ。ただ、徐々にSES企業にも入りにくくなってきていますので、今後はプログラミング業界全体の風潮も変わってくるかもしれません