プログラミングを学び始めた猫田さんと牛山くん。しかし、彼らはどのプログラミング言語を学ぶか、迷っているようです。
とりあえず、あんまし難しいのはやりたくないよね
簡単かどうかよりも、目的に必要なものを学習するのが正解のような気がしますが……
でも、難しかったら絶対に挫折するよ。牛山くんは絶対に挫折する!
ひどい言われようですねぇ……
そんなところにキャニット先生がやってきました。
おやおや? 二人で楽しそうに何を話していたんですか?
プログラミング言語を学習するときに、簡単なやつがいいよねって、二人で話をしてたんだよ
猫田さんしか言ってません
なるほど。たしかにプログラミング言語はたくさんありますからねぇ。簡単なものもあれば、難しいものもあります
キャニット先生、とりあえずどのプログラミング言語が簡単なのかを教えてくださいな
わかりました。では、今回の講義では比較的簡単と言われている3つのプログラミング言語を紹介しましょう
プログラミング言語の難易度を決める2つの基準
そもそも難しいとか難しくないとか、どうやって決めてるの?
猫田さん、いい質問ですね。一般的には『言語の種類』と『記述方式』の2つからプログラミング言語の難易度は決められています
すでにこの話が難しくなってきたんだが……帰っていいですか?
まぁまぁ、キャニット先生の話を聞きましょう
プログラミング言語は大きく分けると2種類
たくさんのプログラミング言語がありますが、それらは全て大きく2つの種類に分けることができます。1つはインタープリタ形式、もう1つがコンパイル形式です。それぞれを簡単に説明しますね
インタープリタ形式
プログラミング言語の命令を1つずつ、機械語に解釈しながら実行する形式です。作成したプログラムをすぐに実行できるため、テストなどがしやすいメリットがあります。
コンパイル形式
ソースプログラムを一度機械語に翻訳して、機械語になったプログラムを実行する形式です。
プログラミング言語の記述方式には3つの種類がある
プログラミング言語の難易度を左右する2つ目の基準は、プログラミングの記述方式です。記述方式には3種類あります
- 手続き型:コンピューターへの命令を順番に記述することでプログラムを構成する方式
- オブジェクト指向型:関連するデータやそれを処理する命令をオブジェクトとしてひとまとめにし、オブジェクト間で指示やデータを送り合い、プログラムを実行する形式
- 関数型:関数を組み合わせて計算や処理を実行する形式
やはり難しい話になったじゃないか!
まぁまぁ、こういう感じで分けて考えられるとだけ知っておけば良いですよ。今のあなた達に大事なのは、具体的にどのプログラミング言語が簡単なのか、という話ですよね
そうそう! 英語は簡単とか、フランス語は難しいとか、そういう話を聞きたいのよ
比較的簡単!と言われるプログラミング言語:3選
わかりました。比較的簡単と言われているのは、Ruby、PHP、Javascriptの3つです。それぞれがどのようなプログラミング言語なのかを紹介しましょう
比較的難易度の低いプログラミング言語①:Ruby ★★☆☆☆
1992年に生まれたプログラミング言語「Ruby」は、日本で生まれたスクリプト型オブジェクト指向言語です。海外でも人気が高く、規模を問わず多くのWebシステムなどで採用されています。
Rubyは、Webアプリケーションのフレームワークとしてよく利用されるRuby on Railsの元となる言語です。スクリプト言語の1つですね。スクリプト言語は、コンパイラ言語よりもプログラムの実行が容易で難易度も低いです。
ちなみにコンパイラ言語を代表するのはJava。Javaのようなコンパイラ言語は、コードを書いた後にコンパイルし機械が読み取れる言語に変換してからプログラムを実行します。一般的には、コンパイラ言語のほうが難易度が高くなる傾向があります。
比較的難易度の低いプログラミング言語②:PHP★★☆☆☆
「PHP」はカナダで生まれたWebシステム向けのプログラミング言語です。もともとはWebサイトのために生まれたプログラミング言語ですが、現在ではWebアプリケーション開発に使われることが増えました。人気の高いプログラム言語の1つでもありますね。
PHPは歴史がある言語です。Rubyと同じくスクリプト言語であり、ECサイトなどでも良く利用されています。PHPが難易度の低い言語と言われる最大の理由は、初心者でも文法を習得しやすいことでしょう。
また、フレームワーク(プログラミングの基本型を作ってくれる便利)を使用する場合、それぞれのフレームワーク仕様を理解する必要があります。最初は1つのフレームワークを集中して学ぶと効率良く学習できますよ。
比較的難易度の低いプログラミング言語③:Javascript★☆☆☆☆
今回ご紹介するプログラミング言語の中で最も難易度が低いのが、JavaScriptです。初学者がプログラミングの学習を始めるのに適した言語の1つですね。アメリカで開発され、1990年代中頃に登場したスクリプト型言語です。JavascriptをWebページに組み込むと、ブラウザ上でインタラクティブな表現や操作が可能になります。
簡単に言うと、WEB上で何かを動かしたいときに使われることが多い言語です
JavaScriptの学習の難易度が低いのは、開発環境の構築が不要であることや関連書籍が数多くでているからです。基礎の習得にかかる時間は、多くても30時間ほどでしょう。HTML&CSSを習得した後に習得するのがオススメです。
ただし、JavaScriptから派生したフレームワークを学習する場合は、少し難易度が高くなります。
JavaScriptそのものは難しくないけれど、フレームワークが難しいんですね
各プログラミング言語でできることとは
今紹介してくれたプログラミング言語でどのようなことができるのか、教えてください
いいですねぇ。では、牛山くんのリクエストにお応えしましょう
①:Rubyでできること
RubyはWEBアプリケーションを中心に、さまざまなサービス・アプリケーションの開発で採用されています。ライブラリも豊富で、汎用性の高さが魅力のRubyを習得すれば、スマホアプリからWEBサービス、SNSなど幅広い分野での開発が可能になるでしょう。
とくに、SNSにはRubyが多く採用されており、マイクロブログサービスや、民泊サイト、ビジネスSNSなど国内でも有名な大手WebサービスはRubyで開発されています。
Ruby on Railsを使うことで、ユーザー登録やログイン、投稿データの管理などに使うデータベースも比較的簡単に作成できます。他のSNSのログイン認証を利用したログイン機能などもすぐに実装可能です。
なんかすごいことがいっぱいできるんだね
そうなんです! Rubyを学べばすごいことがたくさんできます
②:PHPでできること
多くのWEBサービスでPHPが使われています。その中で一番有名なのは、WordPressでしょう。本来はWEBサイトを立ち上げるためにはHTMLやCSS、データベースなどの知識が必要ですが、WordPressを使えばこれらの知識がない人でも簡単にWEBサイトを立ち上げられます。そんなWordPressの大部分は、PHPで構築されています。
他にも、TwitterやFacebookといったSNSをPHPで作ることもできます。たとえば、FacebookがPHPで開発されていたのは有名な話です。
PHPを学べば、Wordpressを使う仕事に役立ちそう!
そうなんです! 仕事でWordpressを使うのなら、PHPを学んでおくとかなり有利でしょうね
③:Java Scriptでできること
JavaScriptは、先程説明した通り、Webサイトに動きをつけることを目的として開発されたプログラミング言語です。ネットショップの商品画像が拡大される動きなどもJavaScriptを使って制作されています。WEBページに演出を加えたい時は、CSSと共にJavaScriptが使われることが多いです。
技術の進化スピードが非常に早いのもJavaScriptの特徴の1つです。最近ではNode.jsなどのサーバーで動くJavaScriptなどもあり、スマートフォンアプリやデスクトップアプリの開発もできるようになりました。動画サイトの動画コントロールなども可能なJavaScriptは本当にマルチプレイヤーな存在です。
JavaScriptを学べば、いろいろなものを動かせるんだね
そうなんです! 動的なWEBページを作りたいのならJavaScriptですよ
難易度から見たプログラミング言語:まとめ
というわけで、「比較的習得が簡単」と言われているプログラミング言語を3つ紹介しました。
どうでしたか? 今回の講義の内容を理解すれば、学ぶプログラミング言語を選ぶときの参考になると思いますよ
全部やりたい!
たしかに、どれも魅力的で決めかねますね
自分がやりたいことがハッキリとしていれば、それに必要なプログラミング言語を学ぶべきです。でも、何をしたいのかが決まっていないのなら、あまり難易度が高くなくてニーズがあるプログラミング言語を学ぶのも良いでしょうね