前回はPythonで足し算、掛け算など四則演算をする方法を学びました。
今回はPythonの変数やデータ型に関して学んでいきます。
変数やデータ型に関する理解があると、今後複雑なソースコードを読む場合も、理解がスムーズになります。
これらの概念や書き方をぜひ本記事でマスターしましょう。
Pythonの変数とは?
プログラミング言語における「変数」とは、データを格納するためのものです。
Pythonは他のプログラミング言語と異なり、変数を宣言するときにデータの型を明記する必要はありません。最初に、変数と「変数に格納したい数値、文字列などのデータ」を記入します。
たとえば以下のような書き方をします。
data = “太郎”
上記の例では「data」という変数に「太郎」というデータを格納しています。
変数に格納したデータは、ソースコード内で何回でも利用することができます。
利用する場合は以下のように記述します。
=====コード例=====
data = “太郎”
print(data)
=====コード例=====
○実行結果
dataに格納したデータを、printによって表示させています。
このように、変数名を記述することで、その中に入ったデータを扱えるのです。
また、変数から別の変数へデータを移すことも可能です。
data = “太郎”
data2 = data + “,花子”
print(data2)
○実行結果
上記の例では、data2という変数に、dataの中のデータと「,花子」を結合させて格納しています。
このように変数に格納したデータは、後で使うことができるのです。
Pythonで変数が必要な理由
「わざわざ変数に格納する必要あるの?」と思うかもしれません。
そこでPythonで変数が必要な理由を解説します。
理由は3つに分けられるでしょう。
- ソースコードを見やすくするため
- 同じ値を繰り返し利用するため
- ソースコードを後で修正しやすくするため
ソースコードを見やすくするため
変数にデータを格納することで、ソースコードを見やすくすることが可能です。
たとえば、ものすごい長い文字列を表示させたい場合、変数を使わず直接書くと見にくくなってしまいます。
ソースコードを読む場合、上から下に目線を移していくため、横長の行があると見にくいです。
そこで変数を使って、文字列を格納することで、コードを見やすくできます。
同じ値を繰り返し利用するため
同じ値を繰り返し利用する場合、変数にデータを格納した方が良いです。
たとえば、以下のようなコードはどうでしょう。
print(“私は現在Pythonを勉強しています。”)
print(“私は現在Pythonを勉強しています。”)
全く同じ文字列を2回表示させたい場合、このように書くとコードが長くなってしまいます。
そこで、変数の出番です。
text = “私は現在Pythonを勉強しています。”
print(text)
print(text)
textという変数に一旦データを格納するこで、同じ文字列を繰り返し書かずに済みます。
このように変数を使うことで、同じ値を繰り返し利用することが可能です。
ソースコードを後で修正しやすくするため
変数にデータを格納することで、コードを後で修正しやすくなります。
Webアプリなどを開発する場合、完成後にもユーザーの評価を受けて修正しなくてはいけません。
そんな場合に、コードが修正しやすいと、作業時間を少なくできるでしょう。
Pythonのデータ型について
Pythonの「データ型」についても理解しておきましょう。
Pythonで扱えるデータには、いくつか種類があります。
これまで、Pythonで文字列や数値の表示方法を学んできました。
print(“Hello World”)
print(1)
文字列のデータはPythonで「str型」、数値のデータは「int型」、と呼ばれています。
他にも様々なデータ型があるので、ここで紹介しましょう。
○データ型一覧
データ型 | 種別 | データ例 |
---|---|---|
str型 | 文字列 | “太郎” “花子” “Hello World” |
int型 | 数値(整数) | 0 1 89 -4 |
float型 | 数値(少数) | 4.5 8.3 -38.2 |
list型 | 複数データ(リスト) | [“a”, “b”, “c”] [1, 2, 3] |
dict型 | 辞書 | {1:”太郎”, 2:”花子”, 3:”二郎”} |
このようなデータ型があることを、覚えておきましょう。
str型とint型はこれまで勉強してきました。
float型は以下のような小数点のデータのことです。
float型もint型同様に四則演算することが可能です。
=====コード例=====
print(4.5 + 3.4)
=====コード例=====
○実行結果
list型は、複数のデータがひとまとめになったものです。
dict型は、idとデータが組み合わさっているものです。
list型とdict型は後ほどの記事で詳しく解説します。
これらのデータ型があることを覚えておきましょう。
「type」を使って変数の型をチェックする方法
Pythonでは変数を使う場合、データ型を指定する必要がありません。
そのため、ソースコードを読むだけでは、変数に格納されたデータの型が何なのか、分かりにくい場合があります。
そこで「type」を使って、データ型のチェックをする方法を紹介します。
=====コード例=====
data = “Hello World”
print(type(data))
=====コード例=====
○実行結果
上記のように、typeの()の中に、データ型を調べたい変数を入れます。
こうすることで、dataのデータ型がstr型というのが分かります。
特に長いソースコードだと、書いている内にデータ型が何なのか分からなくなるときがあります。
そういうときは「type」を使ってデータ型を調べると良いでしょう。
まとめ
本記事ではPythonの変数、データ型について解説しました。
これらの概念を理解しておくと、後の勉強のしやすさが違うので、一記事に渡り説明させて頂きました。
プログラミングの勉強は文法を覚えるだけでなく、概念をきちんと把握しておくことが肝心です。
次回は、Pythonで複数データ(リスト)を扱う方法について解説します。