【入門編6】Pythonのdict型オブジェクト、タプル型について学ぼう

Python入門

前回はリストについて学びましたが、今回はPythonの辞書型(dict型オブジェクト)とタプル型について解説しましょう。

前回の記事では複数データを扱える、リストについてご紹介しました。

辞書型とタプル型も複数のデータを扱えるものです。

ただし、リストとは役割がだいぶ異なるので注意が必要です。

本記事では辞書型とタプル型の基礎知識についてまとめたので、お読み頂ければと思います。

Pythonの辞書型(dict型オブジェクト)とは

辞書型とは、データそれぞれに「key」が付けられているリストのことです。

みなさんは辞書を引くとき、「あ」から始まるページをまず開き、そこから言葉を探していくでしょう。

辞書型ではリストに「key」を付けることで、辞書を引くかのようにデータを探していくことができます。

辞書型の例を紹介します。

name = {1:”太郎”, 2:”花子”, 3:”二郎”}

上記では「太郎」「花子」「二郎」というデータが入っています。

それぞれのデータに「key」として「1,2……」という番号が振られています

このように、「key」と「データ」がペアになっているのが辞書型です。

「key」を選択することで、「データ」を取り出すことができます。

Pythonの辞書型(dict型オブジェクト)を使ってみる

Pythonの辞書型を基本をおさえましょう。

ここでは、以下の項目に分けて解説していきます。

  • 辞書型を作って表示する
  • 辞書型に要素を追加する
  • 辞書型の要素を削除する
  • 辞書型の要素を検索する

辞書型を作って表示する

まず、辞書型を作って表示する場合をみていきます。

表示する場合は、いつも通りprintを使います

=====コード例=====

name = {1:”太郎”, 2:”花子”, 3:”二郎”}
print(name)

=====コード例=====

○実行結果

これで辞書型の中身を丸ごと表示できました。

つづいて、辞書型の中からひとつを選んで表示する方法です。

=====コード例=====

name = {1:”太郎”, 2:”花子”, 3:”二郎”}
print(name[1])

=====コード例=====

○実行結果

name[1]、と記述することで、「key」が「1」である「太郎」が表示できます。

このように辞書型は、「key」を指定することで、データを選択できるのです。

辞書型に要素を追加する

辞書型に要素を追加するには次のようにします。

=====コード例=====

name = {1:”太郎”, 2:”花子”, 3:”二郎”}
name[4] = “愛子”
print(name)

=====コード例=====

○実行結果

name[4] = “愛子”、と記述することで{4:”愛子”}を追加できます。

「4」がkeyで、「愛子」がデータですね。

このように、辞書型に要素を加える場合は、keyとデータを指定する必要があります

辞書型の要素を削除する

辞書型の要素を削除するには「pop」というメソッドを使います。

=====コード例=====

name = {1:”太郎”, 2:”花子”, 3:”二郎”}
name.pop(1)
print(name)

=====コード例=====

○実行結果

popメソッドで、削除したい要素のkeyを選択することで、そのデータが消されます。

今回はkeyが1である「太郎」が削除されました。

辞書型の要素を検索する

辞書型から特定の要素を検索したい場合は、keysメソッドを使いましょう。

name = {1:”太郎”, 2:”花子”, 3:”二郎”}
print(2 in name.keys())

○実行結果

「2 in name.keys()」、と記入することで、keyが2のデータを検索することが可能です。

keyが2のものがある場合はTrue、ない場合はFalceを返します。

今回はkeyが2のものがありますので、Trueが表示されました。

Pythonのタプル型とは

Pythonにはタプル型というものも存在します。

タプルはリストと良く似ているいるものです。

リストは次のようなものです。

number = [1,2,3,4]

対してタプル型は次のようになっています。

number = (1,2,3,4)

タプルを作成する場合[]ではなく()で囲ってください

タプルの基本的な使い方は、リストと一緒です。

ただ、タプルは一度作成すると、後でデータを追加したり、削除したり、ができません。

つまりタプル型の方が制限がかかるということです

なぜ、制限がかかるタプル型をわざわざ使うのかというと、間違えてデータを変更してしまうミスを防ぐためです。

タプル型の場合データを変更しようとすると、「エラー」が表示されます。

Pythonのタプル型を使ってみる

Pythonのタプル型を実際に使ってみましょう。

といっても、タプル型はリストや辞書型のように、データの削除や追加ができません

できることは、元々入っているデータを表示することだけです。

タプル型を作って表示する

=====コード例=====

number = (1,2,3,4)
print(number)

=====コード例=====

○実行結果

タプル型を作成し、データを表示する方法です。

タプル型はリストとは異なり[]ではなく()で囲む点に注意です。

後はprintを使って変数名を指定すれば、タプル型の中身が表示されます。

まとめ

本記事では辞書型とタプル型について解説しました。

それぞれ、リストとどのような点が異なるのか、お分かり頂けたかと思います。

辞書型は、データそれぞれに「key」を対応付けて格納することが可能です。

「key」を指定することで、データを取り出すことができるのが特徴です。

タプル型は、基本的にはリストと一緒ですが、一度作成したタプルは二度と変更できない点が異なります。

辞書型もタプル型も、それぞれの特性を活かした使い方があるので、仕様を覚えておきましょう。

次回はPythonの「標準入力」のやり方について解説します。

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Python入門
【この記事を書いた人】
谷津弘樹

某自社開発のIT企業に勤めていた元webプログラマーです。主にサーバーサイド側を担当し、phpを使った開発経験があります。現在は退職しフリーランスライターとして活動中。IT系の記事を主に執筆し生計を立てています。

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