未経験からIT業界に入りたい人に向けて、テクニカルライターという職種を紹介します。特定の製品やサービスの内容や魅力について書く、ライターの中でも専門色が強い業種。未経験からでも目指せるのか、目指すためにはどのようなスキルが必要なのか、詳しく解説します。
IT業界に興味がある方、書くことを武器にしたい方は、是非ご覧ください。
テクニカルライターの仕事内容
技術的な製品やサービス、システム、プロセスに関する文書を作成する専門家です。
主な仕事内容は、マニュアル、ユーザーガイド、技術仕様書、トレーニング資料、ウェブコンテンツなどの文書作成が含まれます。
テクニカルライターは、製品開発やプロジェクトマネジメントチーム、マーケティングチーム、エンジニアリングチーム、顧客サポートチームなど、多様な部門とのコミュニケーションを取りながら、必要な情報を収集し、それを読み手にわかりやすく伝える文書を作成します。
一般的なライターとの違い
テクニカルライターは、技術的な知識や専門用語を使いながら、製品やサービスに関する情報を簡潔かつ正確に説明することが主な仕事です。具体的で明確な言葉を使って、技術的な問題を解決するための手順や方法を説明する必要があります。読者層も専門的な知識を持った人々が多いため、文章は分かりやすく、正確である必要があります。
テクニカルライター | (一般的な)ライター | |
書くジャンル | マニュアル・WEBコンテンツなど | 小説・記事など |
正確な文章力 | 必要 | 必要 |
比喩表現・文学的技法 | あまり必要ない | あったほうが良い |
専門知識 | 必要 | あまり必要ない |
読者層 | 専門知識を持つ人がメイン | 多種多様 |
一方、一般的なライターは小説や詩、記事などを書くため、文章の創造性が求められます。小説や詩では、独自の世界観を構築して物語を展開させるために、文学的技法を用いたり比喩表現や隠喩表現を使ったりします。記事やエッセイでは、読者の関心を引きつけるために、タイトルや見出しを工夫し、興味深いトピックを選んで、情報を伝えます。
どちらも文章を書くことに長けていることが求められますが、対象読者や執筆内容の性質によって、必要なスキルやアプローチが異なってきます。
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テクニカルライターに必要なスキル
①:優れた文章力
ライターとして働く側面が強いため、正確な日本語を書く文章力は必須です。日本語だけではなく外国語でも優れた文章が書けると、より需要が高まります。
②:編集能力
一般的なライター職と同様に、編集の能力も求められる機会が多いです。そのため、ライター経験や編集経験があると、たとえIT業界未経験であっても採用される可能性は高まるでしょう。
③:技術的なトピックに関する深い理解力
専門的な内容を執筆するため、これまで知らなかったものを理解した上でわかりやすく文章に起こす機会も多いです。そのため、理解力が求められます。
④:コミュニケーションスキル
クライアントの意向に沿った記事を作る必要があります。そのために必要なのは、コミュニケーションスキルです。
その他にも多様なツールやプログラムに関する知識、デザインやレイアウトなどにも関心を持つ必要があります。ライター職と言っても、ただ書いていれば良いのではありません。常に色々なものを吸収し続ける必要のある職業です。
テクニカルライターとして働くメリット
①:専門的な知識を身につけられる
テクニカルライターは、専門的な分野に関する知識を深めることが求められます。そのため、自分が興味を持っている分野に特化して、より深い知識を身につけることができます。
②:コミュニケーションスキルが向上する
テクニカルライターは、技術的な情報をわかりやすく伝えることが求められます。そのため、コミュニケーションスキルを磨くことができます。
③:クリエイティブな仕事ができる
技術的な情報をわかりやすく伝えることを求められますが、その方法は自由度が高いです。そのため、クリエイティブな仕事ができます。
④:需要と供給のバランスが取れている
テクニカルライターは、高度なスキルが求められるため、高収入が期待できます。また、技術的な分野は需要が高いため、需要と供給のバランスが取れており、安定した収入を得られる可能性も高いです。
⑤:職場が多岐にわたる
技術的な情報を伝えることが求められるため、製造業、IT業界、医療業界、エネルギー業界など、様々な業界で求められています。そのため、職場の選択肢が広がります。
テクニカルライターの年収
経験や技術レベル、業界によって異なりますが、初任給は約300万円程度、5年目で500万円程度、10年目で700万円程度が平均的な年収とされています。
ただし、これらの数字はあくまで参考程度にお考えください。
今後の需要
技術が進化するにつれて、ますます高度化していくため、テクニカルライターの需要は高まると考えられています。
特に、AIやロボット、IoT、自動運転車などの分野では、テクニカルライターの重要性が高まっています。また、グローバル化が進む現代では、多言語に対応できるテクニカルライターの需要も増加しています。
テクニカルライターからのキャリアアップ先
キャリアアップ先としては、テクニカルライターとしてのスキルや経験を活かし、ライターマネージャーやテクニカルライティングトレーナー、技術コンサルタント、編集者、プロジェクトマネージャーなどの職種に進むことができます。
テクニカルライターとしてのスキルや経験を活かして、IT以外の業界への転職も可能です。
テクニカルライターとして働くデメリット
①:専門知識の習得が必要
テクニカルライターとして働くには、特定の分野に関する深い専門知識が必要となることがあります。そのため、習得には時間と労力を要することがあります。
②:長時間の作業が必要
テクニカルライティングには、複雑なプロセスの説明や技術的な内容の解説が必要となります。そのため、長時間にわたって集中して作業をする必要がある場合があります。
③:執筆プロセスが複雑
テクニカルライティングには、執筆プロセスが複雑であることがあります。文書の構成や表現方法などについて、細かいルールやガイドラインが存在するため、そのルールに則って執筆する必要があります。
④:顧客との折衝が必要
テクニカルライターは、顧客の要望に沿った文書を作成する必要があります。そのため、顧客との折衝や調整が必要になる場合があり、そのやり取りに時間と労力を要することがあります。
まとめ:IT未経験でも書く力があれば採用されやすい
テクニカル「ライター」と言うだけあり、基本的にはライター職です。そのため、書くことが好きな人には向いているでしょう。逆に文章を書くのが苦手な人には、あまりおすすめできません。
ただし、自分の好きなことを書ける職業ではありません。顧客とのコミュニケーションを通じて、相手が求めているものを作り上げる必要があります。
これから初めてIT業界で働く人でも、挑戦しやすい職種のひとつでしょう。もしも興味があるのなら、転職エージェントなどを通じて、テクニカルライターへの道を挑戦してみてはいかがでしょうか。
なお、未経験からIT業界に転職したい方は、他にどんな職種があるかもチェックしてみてください。下の記事に未経験からでも転職しやすいIT業界の職種をまとめました。