最近の牛山くんは、エンジニアについてもいろいろと調べているようです。
猫田さん、インフラエンジニアって知っていますか?
聞いたことがあるような、ないような……インフラというくらいだから、インフラなんだろうね
おやおや? インフラエンジニアについて話すなんて、二人も進歩しましたね
んん? インフラエンジニアって何をする人なんだろうねーって話をしていただけだよ
そういう興味を持つだけで進歩ですよ。せっかくなので、今日はインフラエンジニアについて解説しましょうか
インフラエンジニアってどういう仕事?
そもそも、インフラエンジニアってどういう人たちなの?
インフラエンジニアは、企業のITシステムを構築するエンジニアです。主にIT基盤(インフラストラクチャ)の構築を担当します。設計、構築、運用、さらにはメンテナンスから保守まで求められます。
なんか、とても大変そうなんだが
業務が多岐にわたるのが特徴ですね
ITシステムやWebサービス運用でのインフラ業務のほか、サーバーやネットワークなど物理機器の構築をおこなう技術者もインフラエンジニアに含まれます。
インフラエンジニアの仕事内容
わかりやすく説明してくれているんだろうけど、この時点でチンプンカンプンです
「設計」とか「構築」とか、たしかにわかりづらいですね
わかりました。では、それらをもう少し詳しく説明しましょう
①:設計
ITインフラの設計は要件定義から始まります。自社内部や外部クライアントなどのITの専門家ではない人たちから、「こういうシステムを作りたいんだけど……」と話を聞きます。その内容をインフラエンジニアが設計書に落とし込む。この作業が要件定義です。
ITに詳しくない人のざっくりとした話を聞くところから始まるのか
設計書はドキュメントとして保存され、それを土台にして実作業が行われます。そのため、この要件定義の設計作業ではプログラムをイメージしながら、実際の動作フローやエラーハンドリングまでを内容に組み込む必要があります。
②:構築
設計書が完成したら、それに基づいてハードウエア・ソフトウエアを揃えます。もちろん必要に応じてプログラミングを行うことも少なくありません。ハードウエアの運搬や組付け、設置も構築作業に含まれます。
すべての設置と接続が終わったらソフトウエアのインストールと設定を行い、動作確認や負荷テストも行います。
③:運用
すべての構築とテストが終わったら運用開始です。一度運用を開始したら、原則として止めることなく運用が継続されなくてはいけません。
24時間365日動作させ続けるために動作を監視し、必要に応じて保守を行います。万が一、トラブルが起きたら即応体制で対処します。
この設計、構築、運用の流れがインフラエンジニアの主な仕事ですよ
インフラエンジニアに必要な3つのヒューマンスキル
「インフラエンジニア」という言葉の響きから技術的なスキルばかりが求められそうですが、実はそうでもありません。いわゆるヒューマンスキルも重要です。というわけで、インフラエンジニアに必要な3つのヒューマンスキルを紹介しましょう
①:コミュニケーションスキル
要件定義を行う際に、クライアントや社内から要求定義を間違いなく、聞き取らないとシステムに必要な情報を入手できません。
また、チームで開発をすすめる際には横のつながりが非常に重要になります。つまり、コミュニケーションスキルが必要スキルとなります。
エンジニアはパソコンと向き合っていれば良いってわけではないんですね
そうですよ。むしろ他の職業よりも余程、人とのコミュニケーションが大事です
②:ヒアリング、提案スキル
上記のスキルと少し被りますが、インフラエンジニアはクライアントとやり取りすることが多くなります。クライアントの要望を聞き取り、予算や納期をすり合わせて最適なプランを提案するスキルが必要になります。
③:プロジェクトマネジメントスキル
リーダーなどのスタッフをまとめる立場になると、プロジェクトの進捗を管理をする必要もあります。それは上流工程である設計や中間工程である構築において大変重要です。
しかし、保守管理においても工程管理は必要になりますから、下流工程でも上流工程でもプロジェクトマネジメントスキルは必須です。
インフラエンジニアを目指すために有利な資格5選
インフラエンジニアになるために有利な資格はありますか?
特定の資格を持っていれば、わかりやすく自分の力を周囲にアピールできるので有利ですよ。代表的なものを紹介しましょう
①:応用情報技術者(AP)
応用情報技術者(AP)は、基本情報技術者試験の上位資格です。設計・開発・運用・保守、プロジェクト進行など実務者レベルを想定したものなので、取得しておけば即戦力として期待されるでしょう。
②:ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストの資格は、ネットワーク分野のプロフェッショナルとして業務上の課題を発見・解決できる知識を持っている証明になります。
規模が大きくセキュリティの高いネットワークシステムを、目的に応じて構築・運用できる知識を持っていることが期待されるでしょう。ネットワーク分野を目指すインフラエンジニアは、取得しておきたい資格の一つです。
③:データベーススペシャリスト(DB)
データベーススペシャリスト(DB)の資格は、ネットワークスペシャリストと同様、高度試験に分類されます。
試験では、データベースシステムの企画・要件定義・開発から運用・保守まで幅広く出題されます。運用・保守ではセキュリティやパフォーマンスについても意識して勉強する必要があります。また、SQLや正規化、排他制御などをはじめとする技術的な要素、新技術の動向などについても出題されます。
④:Cisco技術者認定CCNA
Cisco技術者認定CCNAは、大手ネットワーク機器メーカーのCisco社が運営する資格試験です。ネットワーク関連やIPサービス、セキュリティの基礎などの知識が求められます。
試験合格のための公式のカリキュラム(e-ラーニングや講義、実機演習など)も用意されていて、資格の認知度が高いのが特徴です。ネットワーク技術者からの人気も高いようです。
⑤:AWS認定
AWSとはAmazon Web Servicesの略で、Amazon社によって提供されているクラウドサービスの総称です。AWS認定資格は、基礎、アソシエイト、プロフェッショナルの3段階のレベルに分けられた試験と、ネットワーキング、セキュリティ、機械学習、Alexaスキルビルダー、データアナリティクス、データベースの6つの専門知識に分けられた試験とで構成されます。
最も取得が容易な「クラウドプラクティショナー」でも6ヶ月間の基礎的なAWSクラウドと業界知識が必要とされており、難易度は高いです。これからは、クラウドに関する知識も必要になると思いますので、取得しておくと周りと差をつけられるでしょう。
インフラエンジニアの仕事内容と必要な資格:まとめ
というわけで、今回はインフラエンジニアについて紹介しました。インフラエンジニアはインフラを支える職業ですから、ITがなくならないかぎり需要はあるでしょう
つまり、インフラエンジニアを目指す価値は十分にあると……
エンジニアにもいろいろ種類があるから、どういうエンジニアを目指すのかも決めておいたほうが良さそうだね